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とうとう、施術用のマスクが底をつきそうになってきた。そこで、取引先である中国の医療機器メーカーから、直接マスクを輸入することにした。

どこぞの官房長官は、「マスクの供給は5億枚確保できる」なんて断言していたものの、実際には、薬局を数十件ハシゴしても、未だにマスクが見当たらない。

結局、転売を規制する法律が施行されたものの、お決まりの法律不備により、闇市場での転売が横行し、転売屋による買い占めも収束していないようだ。

それゆえ、一般市民はいつになってもマスクを入手することができず、みな苛立ちを隠せない様子だ。薬局の店員も、毎日幾度となく「マスクありますか?」と客に聞かれて、さぞや辟易していることだろう。

政府は医療現場へのマスク供給を最優先にしている、と釈明しているが、実際のところ、歯科医など、個人経営の開業医の間では、まだまだマスク不足が深刻なようだ。

すでに東京都内では、一部の小売業者が、外国製マスクを独自に輸入して販売しているようだ。しかし、客の弱みにつけこんで、低品質なマスクを高価格で販売している輩もいるらしい。

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先日、日本政府が配布すると発表した給食当番用マスクも、直径約1万分の1ミリのコロナウイルスに対する捕集効果を考えると、全く使いたいと思わない。あんなマスクで感染予防が可能だなんて、誰が信じるのだろう。ましてや洗浄して再使用するとなれば、繊維の間隔が増々拡大して、マスクをしていないに等しい状態になる可能性がある。

そうであるならば、自分がこれまでに築いた信用性の高い仕入れルートと、地道に培ってきた中国語能力を生かし、中国から安くて、高品質なマスクを独自に手に入れるしかない、と考えた。もちろん、自分と家族が使う分以外、少し多めに輸入して販売すれば、多くのマスク難民も救われるかもしれないな、とも考えた。

もちろん、正規の卸業者から仕入れて、小売として院内で販売するから、転売には当たらず、違法にはならない。しかし問題は、医療用マスク(サージカルマスク)が医療機器に該当するか、薬監証明が必要なのか、ということだった。

この件について、針の輸入で毎度お世話になっている関東厚生局に問い合わせると、当院で仕入れようとしているマスクは医療機器には該当せず、雑貨扱いで問題なく輸入できる、との回答だった。雑貨であるならば、販売に際して特に免許は必要ない。

マスクの販売に関しては、東京都福祉保健局の薬務課に聞いてくれとのことで、早速電話した。

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すると、雑貨にあたるマスクの販売については何ら問題はないが、販売時にマスクの効能や予防効果などについて言及したり、そのような旨をパッケージに記すと違法になる可能性があるので、もしそのような記載があるのであれば、パッケージを入れ替えて売って下さい、との回答だった。パッケージに中国語で「外科用マスク」と記されているだけなら、問題ないとのことだった。

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マスクの輸入は初めてだから、品質を確認するためにも、今回は少量のみの発注にした。院内で試験的に販売して、需要があるようなら、また追加で発注しようかと考えている。今回の発注分は、スムーズにいけば、来週中には届くかもしれない。入荷したら、ツイッターでお知らせしようかと考えている。

今回の輸入分に関しては、1袋(10枚入り)1000円程度に設定する予定だ。1000円は高い、と言う人がいるかもしれないけれど、現在、中国では原材料が高騰しているし、輸送費や関税、消費税のことを考えると、赤字を避けるため、これ以上安くはできない。

もちろん、マスクの販売で暴利を貪るつもりは無いからなるべく安く提供したいけれど、そもそもこれは外科用マスク(サージカルマスク)であるから、数百円で売れるような安物ではない。

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それと、ほんの少しだが、子供用の医療用マスクも発注した。これは全て個別包装であるため、1枚あたりの価格は大人用よりも高くなってしまうかもしれない。

ちなみに、大人用も子供用も一回使用が原則だ。中国でも、使い捨てマスクを洗濯したり、日光や熱湯、電子レンジなどを用いて消毒して再使用する人が少なくないそうだ。

しかし、洗濯すると、数ミクロンの孔で構成された濾過層が破壊されて、感染リスクが高まる可能性があるため、反復使用はなるべく避けた方がよろしい。実際に、政府自らマスクの再使用を推奨するどこぞの国とは異なり、中国では、専門家がマスクの再使用は避けるよう提言している。

今回輸入するマスクの品質に関してだが、当院は、中国国家中医薬管理局直属の中国中医科学院に医療機器を卸している、いわゆる第三产业のメーカーと取引しているから、おそらく問題はないと思う。元々は外科用マスクであるから、歯科医院でも十分使えるはずだ。

中国では、未だ偽物のマスクが流通し、度々当局によって摘発されている。それゆえ、この機に便乗して、日本にも偽マスクが大量に流れ込んできているかもしれない。実際に数年前、北京の旅行用に、3M社製のロゴが書かれたN95マスクをアマゾンで購入したところ、届いたのは明らかなパチモンだった。

それと、最近、マスクの輸入代行を謳うフィッシングサイトや、アマゾンに出店している怪しい業者が散見される。普段から自衛を心掛け、マスクを購入する際は十分に注意し、何とか多くの国民が無事、この難局を乗り切って欲しいと思う。