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そろそろ、鍼の輸入代行業を始めようかと考えている。

現在、代行しているのは知り合いの鍼灸師Fさんの分だけだが、コロナ諸々の影響もあり、将来的には需要が出てくるのではないかと考えている。

とは言っても、現在は本業の他にやらねばならぬことが沢山あるから、当面は1月、2月、8月限定で、知り合いの鍼灸師から希望があれば、ヒマをみて代行する予定だ。

薬監証明は自筆で書く必要があるから、書き方を教えて、輸入者自身に記入してもらう必要がある。それゆえ完全な代行は不可能だから、代行手数料は「商品代金と送料を含めた総額の5~10%+消費税」程度で、発注金額によって割合を変動させようかと考えている。

ちなみに、鍼灸師個人の輸入として薬監証明を申請することになるから、購入した鍼を他人へ譲渡・販売することはできない。あくまで、輸入した鍼灸師個人の使用のみに限られる。また、鍼灸師免許のみの場合、輸入できる商品は限られている。

発送方法は、基本的にはDHL(空輸)のみだ。DHLは受付可能重量が21kg以上だから、ある程度まとまった本数の針を購入しないといけない。例えば、0.30×50mmサイズの鍼を輸入する場合、1箱あたり100本入が約110g、500本入が約180gだから、最も安い500本入を購入するとしても、最低120箱くらいはまとめて購入する必要がある。

ちなみに、送料が安いからと言って船便を選ぶと、余計な経路が増える関係で輸送中に荷物が破損したり、行方不明になったり、怪しい虫などが混入する可能性があるから、多少高くても空輸の方が安心だ。

とは言っても、DHLは香港経由で日本に到着するから、段ボールの底に入っている鍼の箱が潰れていることがよくある。特に、税関による差し戻しが繰り返された場合は、針の箱が酷く潰れていることがある。

ちゃんと梱包してくれと何度も言っているが、改善されないのはお国柄としか言いようがない。もちろん、酷い破損がある時はクレームを出すつもりだけれど、返品するとなるとかなり面倒なことになるから、少しくらいの破損は妥協しておくのが無難だ。今のところ、違う商品が入っていたとか、鍼自体に問題があったことはない。

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EMSでは南砂町にある東京外郵出張所で自己通関させることが可能だが、DHLでは自己通関させてもらえない。そのため、DHLを利用した場合、通関は通関士に代行してもらうことになる。

DHLはEMSに比べ、通関手続きの代行申請が簡単だ。しかし万が一、通関手続き時にトラブルがあって荷物の保管が必要になった場合、EMSなら1~2か月程度は基本的に保管料は無料だが、DHLでは1日毎に保管手数料が容赦なく加算されてゆく。基本的に保管料は荷物が届いたあと、別で請求書が送られてくるから、銀行振り込みする必要がある。

梱包数や重量が増えるほど、DHLの方が配送効率が上がり、安くなる傾向にあるが、少量の発送ならばEMSの方が勝っている。今のところ、針に関税はかからないが、通関時に消費税を支払う必要がある。

また、DHLを利用する際、最も注意しなければいけないのは、荷物引き渡し時の代引き料金の確認だ。DHLは日本国内の発送を佐川急便に委託しているが、佐川が代引き扱いで荷物を届けに来た時、DHLが作成した支払い確認書に記された合計金額の倍額を請求することが度々ある。基本的に、複数口でも消費税などは1つの請求書にまとめられているのだが、何故か配達員はちゃんと確認もせず、「請求書に記された合計金額×荷物の個数分」の料金を請求しようとすることがよくあるのだ。

支払いは日本の銀行から海外送金も可能だが、マネーロンダリング対策で手続きが年々面倒になっている上に、審査も厳しさを増している。また、送金ルールが突然変更になることもあるし、とにかく帳簿管理を厳重に行っていても、手間がかかり過ぎる。さらに、1回の送金手数料は6000円程度で、送金のためだけに費やす労力、時間、費用を考えると、できれば銀行送金は避けたい。

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最も簡単なのは、アリババのシステムを使ったウェブ上でのクレジットカード決済だ。このシステムを使えば、数分~30分程度で送金することができる。手数料はTransaction Feeとして数千円取られるけれど、書類審査等が無い分、銀行送金に比べれば遥かに便利だ。まぁ、決済システムの安全性については、実際のところどうなのかはわからないが、日本在住の日本人は外汇の関係で微信支付が使えないから、今のところはクレジットカード決済を使うしかない。

中国の針工場は天津以南の南方に多いが、南方人はおおらかで親しみやすい一方、北方人に比べるとサボりがちであるから、特注した針の納期が大幅に遅れる、なんてことはしょっちゅうある。

発注する針の種類によって異なるが、基本的に最小ロット(起订数量)は100~200箱(100本入/箱)、納期(生产周期)は15~40日となっている。しかし、納期が大幅に遅れて、3か月ほど待たされることが稀にある。

中国には針を生産する工場が沢山あり、生産効率の良し悪しは、工場によって大きく異なる。工場は選べないから、これだけはどうしようもない。品質に関しては、出荷時に国の品質検査があるためか、それほど大きな差は無い。

国内外の情勢によっては、税関による意味不明な差し戻し(退回)が稀に起こるし、コロナの影響でマスクの輸出制限があったように、今後、針に輸出制限がかかる可能性はゼロではない。

取引先の某小姐が言うには、「DHLよりもEMSの方が差し戻される確率がわずかに低い」とのことだったが、前々回はEMSで4回も差し戻されて、結局、DHLを使って香港経由で送ってもらってやっと届いた。とにかく、中国との取引は先が読めず、むしろ“一切都顺利”とならぬことの方が多い。

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ちなみに前回、針の特注を頼んだ時、納期は1か月の予定だった。で、1か月後に早速連絡したら、某小姐は「工場に確認したところ、特注針はもうできてます。今、うちの会社の倉庫へ配送中です」と答えたが、実際には工場が嘘をついており、生産に取り掛かっておらず、納期が2か月先まで延びた。

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まぁ、そうは言っても、中国の工場でないと特注できない高度な加工技術を要する針があるのは事実で、他にもコストパフォーマンスなどを考えると、中国の針メーカーとの取引き無しに効果の高い鍼灸治療を安く提供することは、ほぼ不可能に近い。

それゆえ、取引上の多少の困難はあっても、今後、輸入代行を希望する鍼灸師が少なからず出てくるだろうと予想している。