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戸隠神社には、20年くらい前に1回だけ行った記憶がある。しかし、何故かその時のことはほとんど覚えていない。スノーモンキーのいる地獄谷野猿公苑には、2015年の11月に初めて行った。

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2016年の年賀状に使う猿の写真を撮るため、東京からミニカーに等しいVWルポで日帰りするという気違い染みた計画で、帰りはノーマルタイヤで予想外の降雪に遭い、地獄谷野猿公苑のあとに本当の地獄をみることになった。でもまぁ、あそこは中々面白い場所だった。

今回は、新幹線で長野へ行くことにした。長野市までは北陸新幹線を使うのが最も速くて楽だ。新幹線は1時間に2~3本出ていて、所要時間は片道約90分、料金は全席指定で8000円前後だ。池袋駅や新宿バスタ、東京駅八重洲口からも、長野駅行きの高速バスが1日10本前後出ているらしい。所要時間はおおよそ4~6時間前後だが、片道料金は1500~2500円くらいだ。時間や体力に余裕がある人、バス好きな人には良いかもしれない。

高速バスには2回だけ乗ったことがある。2回とも島根にいた時で、1回目は派手な車体色で躍進した某社が、松江-東京間の運行を開始して間もない頃、松江から東京まで乗った。

松江駅を20時頃に出発して翌朝7時すぎに東京駅に着く、というスタイルは今と変わらないが、当時は運転手が不愛想な上に、休憩が1回だけで、シート間も狭く、ノッポが11時間も車内で過ごすにはあまりにも過酷であった。

しかも、休憩は中間地点にある多賀あたりかと思いきや、島根県からほど近い岡山県蒜山SAのみだった。その後1回、深夜にどこかのSAに入ったものの、乗客は降ろしてもらえず、運転手がタバコ休憩するだけ、という素晴らしい運行スケジュールだった。

八雲町に住む患者のTさんが「東京行くなら夜行バスがいいけん」と、たまに来院するたびに耳が痛くなりそうなほどしつこく言うもんだから、話のタネにと興味本位で1回だけ乗ってみたのだった。

エコノミークラス症候群は座りだしてから、6時間くらいで起こりやすいと言われている。運が悪ければ、東京に辿り着く前に肺塞栓で彼岸に旅立っていたかもしれないと考えると、恐ろしい。ちなみに、現在は運行スケジュールが改善されたようだ。

高速バス体験の2回目は、神の名を冠した松江発の夜行バスだった。前回同様、同じルートで東京へ向かったわけだが、最後部の座席を選んだせいで、ほぼ真下にあるエンジンの振動と騒音で乗車開始直後から気分が悪くなり、11時間あまり、ささやかなる地獄をみた。初回のバス会社に比べてサービスは良かったけれど、それ以来、高速バスには乗っていない。