鍼灸治療は医療費控除の対象になる
鍼灸師(はり師・きゅう師)は国家資格です。慰安目的ではない、鍼灸院での施術料(「治療のためのはり師、きゅう師による施術の対価」)は医療費控除の対象(『所得税法第207条』)になります(公共交通機関を利用した場合のみ、通院の際にかかる交通費なども控除の対象となりますので忘れずに申告しましょう。自家用車で通院した際のガソリン代や駐車料金は控除の対象外です)。当院には、海外から来院する患者さんもいますが、その場合は交通費が相当かさむはずですから、治療費と交通費を合わせて申告しないと損をするかもしれません。
1年間(1月1日~12月31日まで)の医療費(本人と生計を同じくする配偶者や家族の分を含めたもの)の合計が10万円を超える場合や、所得金額の5%を超える場合は、どちらか少ない方を所得税から控除することが出来ます。一応、下記に医療費控除額の計算方法を記しておきましょう。詳細については税理士にご相談ください。
《医療費控除額の計算方法》
[その年に支払った医療費]-[保険金等で補填される額]-[10万円または所得金額の5%(どちらか少ない額)]=[医療費控除される金額(最高200万円)]
*2012年8月現在
通院時に電車やバスなどの公共交通機関を利用した場合、基本的には領収書は発行してもらえません。よって、このあたりは自己申告になりますので、通院した日時・経路・費用などを、メモなどでしっかりと記録しておく必要があります。最近は、パスモなどの利用履歴は切符売り場で発行・印字できるようです。また、電車や新幹線などを利用した場合は、使い終わった切符は自動改札を通さずに駅員に直接渡せば、使用済の切符として、もらえることがありますので、切符そのものを保管しておければベストです。
医療費は病院の治療だけが対象になると思い込んでいる患者さんも多いですが、前述した通り、実際は鍼灸治療費の他、薬局で買った治療薬代(「疾病の予防または健康増進のために供されるものの購入費用」は対象外)なども対象になります。念のため、以下に列挙しておきましょう。
《医療費控除の対象》
・医師、歯科医師による診療や治療の対価
・治療のためのあんま、マッサージ、指圧師、はり師、きゅう師などによる施術の対価
・助産師による分娩介助の対価
・医師等による一定の特定保健指導の対価
・保健師や看護師、准看護師による療養上の世話の対価
・治療や療養に必要な医薬品購入の対価
・病院、診療所、助産所などへ収容されるための人的役務提供の対価
*詳細については税務署か税理士にお尋ねください。