やっとヒマができたので、毎年恒例のエアコン掃除をした。
最近の東京は異常なくらい蒸し暑いから、エアコンにカビが繁殖しやすい。かといって、カビを放置しておくと胞子が飛んで健康被害が出る可能性があるから、定期的に清掃しなければならない。
これまでは、ヒマがなくて、業者にエアコン掃除を頼んでいたことも多かった。しかし、どこも洗浄方法は似たり寄ったりで、熱交換器のみの洗浄で誤魔化すケースが多々あり、結局、最も気になるカビの臭いが取れず、自分で掃除することにした。
YouTubeなどでは様々なエアコン掃除法がアップされているが、基本的にエアコン掃除では、カビキラーは使わない方がよろしい。カビキラーは風呂掃除に使うモノであって、エアコン掃除には適していない。
現状では、以下の道具で掃除するのが最も安全かつ効果的で、安価で楽な方法であると思われる。
必要なもの
・3段程度の脚立
・養生マット
・ケルヒャー製モバイルマルチクリーナーOC3
・リョービ(RYOBI)製ブロワーBL-3500
・エアコン洗浄カバーKB-8016
・寺岡製作所製養生テープ
・アースエアコン洗浄スプレー無香性
・バケツ大(排水回収用)
・バケツ小(洗浄スポンジ用)
・タオル
・スポンジ(普通の食器洗い用スポンジとメラミンスポンジ)
・柄付きブラシ
・洗剤(食器用洗剤など)
・掃除機
・養生用ビニール(ゴミ袋など)
・ゴム手袋など
脚立や養生マットは、郊外の大きなホームセンターなら、大抵在庫がある。ケルヒャーの高圧洗浄機は様々な種類があるけれど、エアコン洗浄に限ってはモバイルマルチクリーナーOC3程度の水圧が無難だ。これ以上水圧が強くても弱くてもよろしくない。
エアコン洗浄カバーはケチって粗大ごみなどで代用しない方がよい。ゴミ袋を加工すると、作業中に水が漏れる可能性があるし、何より設置と撤去に時間がかかる上に作業効率が悪くなる。専用のエアコン洗浄カバーを使うのが賢明だ。
養生テープはエアコン洗浄カバーを取り付けた後、特にエアコン下部の隙間を埋めるために使う。また、周囲の家具などをビニールなどで覆う時などにも重宝する。100均の養生テープだと粘着力が弱く、水圧で容易にはがれる可能性があるから、これもケチらずちゃんとしたメーカー品を用意しておいた方がよろしい。
アースエアコン洗浄スプレーは無香性がよろしい。この洗浄スプレーは熱交換器部分にしか使えないから、ファン部分に使ってはいけない。エアコンがかなり汚れている場合は、1台につき2本は必要だ。非常に使いやすい商品である。最近は薬局でも手に入るようになった。
洗浄時の排水を回収するバケツはなるべく大きくて、赤ちゃんの風呂に使えるくらいの、安定したものがよろしい。小さいバケツは洗浄スポンジ用に少し水をためておいて使う。
スポンジはファンと通風路を大まかに掃除するために使うが、頑固な汚れは激落ちくんなどメラミンスポンジを使う。ファンの隙間を掃除するブラシは柄が付いたものが使いやすい。
カビ汚れは食器用洗剤で十分に落ちるが、落ちない場合は他の洗剤が必要かもしれない。
掃除機はフィルター部分のホコリをとるために使うが、水洗い可能なフィルターは、出来れば水洗いした方が良い。エアコンの種類によっては紙製の小さなフィルターが付いている場合もあるから、この場合は型番を調べて定期的に新品交換する。
作業前にコンセントは必ず抜いて、本体カバーを外したあと、電装部をビニールと養生テープで水がかからないように養生しておく。今回はファンの清掃がメインなので本体カバーは外さなかった。カバーを外さない場合は、カバーの継ぎ目も養生テープで水が浸入しないように保護しておいたほうがよい。
メーカーによっては部品の面取りがしっかりとなされておらず、洗浄時に手を切る可能性があるから、何らかの手袋で手を保護していおいた方が無難だ。D社の某エアコンは3年前に15万円ほどで購入した比較的高級品の部類だが、フラップ台座部の中央部が面取りされておらず、手を切ってしまった。この部分は、C社やP社の最安エアコンでさえしっかりと面取りされているのに、これはひどい。もうD社のエアコンを買うことはないだろう。工業製品は分解すると、メーカーの真の設計レベルが伺い知れる。
熱交換器の洗浄は簡単だ。フィルターを外して洗浄し、乾かしたあと、熱交換器部分に洗浄スプレーを吹き付ければ良い。注意点としては本体カバーを外して清掃する場合、右側の電装部周囲に洗浄液を吹きかけないことと、熱交換器のフィンに触れないようにすることだ。フィンは薄いアルミ製だから、ちょっと触っただけで容易に曲がってしまう。
ファンの洗浄はケルヒャー製モバイルマルチクリーナーOC3があれば、非常に楽だ。ファンに水を吹きかけるだけで、カビが次々と滴り落ちてくる。1台のエアコンを掃除するのに、タンクに2~3回給水しなければならぬのがちょっと面倒だけれど、手動ポンプ式のモノより遥かに水圧が高いから、とにかく掃除が楽になった。悪い点は、タンクが本体から外れやすいところくらいだ。タンクのハンドルと本体のハンドルをしっかりとロックさせる仕様か、タンク自体を本体側とロックさせる仕様にしてくれたら、文句はない。
最初にある程度水洗いしたあと、洗剤を付けたスポンジとブラシで丁寧に洗い、再び水で流せば良い。
大きなスポンジで大まかに洗ったあと、柄付きブラシでファンの隙間などを丁寧に洗うとよい。
そして、乾いたタオルで大まかに水を拭きとったあと、ブロワーで水を吹き飛ばせばよろしい。水が少しでも残っているとカビが再発しやすくなるから、ブロワーをで水を飛ばしたあと、しばらく放置して乾かしておくとよい。ちなみに、このブロアーは風圧が強烈だから、ファンから少し離して短時間の使用にしないと、ファンが高回転で回り過ぎて危ない。
また、動作音も強烈だから、近所迷惑になる可能性もあるのが難点だが、洗い終わったフラップの細かい水も飛ばせて、基本的には便利な道具である。フラップの水を飛ばす時も、近づけ過ぎると風圧でフラップが破壊される可能性があるから、心配な場合はサンワサプライ製などのエアダスターを使った方がよろしい。
ビフォア(洗浄前)
アフター(洗浄後)
ちなみに、D社では、エアコン本体を外して工場に持ち帰り、分解して洗浄、組立、再取り付けする、という1台につき4~5万程度のエアコン洗浄コースがあるが、一度取り付けたエアコンを毎年外して分解するリスクを考えると、個人的にはこんな感じで洗浄した方がメリットが多いように思える。本体カバーを外してちゃんと洗浄すれば、カビの臭いはほぼ完全に無くなるはずだ。
しかしながら、素人は時に思わぬ危険を冒すことがあるから、知識と自信がない人は、プロに頼んだ方がよろしかろうと思う。個人的には、エアコンを買うならやはり霧ケ峰がおすすめだ。